1948年 アメリカ映画 ハワード・ホークス監督 (Red River)
10年以上まえになるだろうか。 大林宣彦監督のオフィスを訪れた際、 壁に立てかけられた一枚の絵があった。 銃を向け合っている二人の男の絵。 「モンゴメリー・クリフトですね! 背中を見せているのは誰かしら」と美加。 「ジョン・ウェイン、『赤い河』だよ」と、 監督はやさしいお顔で仰った。 「色を付けてみたくてね」と。 題名に色が付いていながら、黒白作品。 1851年のテキサス、大牧場を作る夢を持つ中年男に ジョン・ウェイン、 彼に拾われる少年役(成年時のみ)で 映画デビューを飾ったモンティ。 そして、西部劇の”ムード・メイカー” ウォルター・ブレナンが 味を添える。
夥しい数の牛の大移動、暴走、暴風雨。 今から70年以上まえに、この撮影を敢行したホークス。 ホークス作品にしては脚本が大味だが、 男のドラマには女性が不可欠と匂わせる演出もあり。 今回、観なおしてみると、 大林監督がお描きになったシーンはほんの一瞬、 あわや見過ごすところだった! サウンドトラックはディミトリ・ティオムキン。 多くの映画音楽を手がけてきたコンポーザーであるが、 1957年の一曲”Wild is the Wind”は ニーナ・シモンをはじめとして、 女性ヴォーカリストに人気の高い情念の歌曲として 残り続けている。 さあ、次回も”ア”で始まる映画をお楽しみに!
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