1960年 アメリカ映画 リチャード・ブルックス監督
(Elmer Gantry)
往年の俳優で憧れるのは、ゲイリー・クーパーやグレゴリー・ペック。 役者として興味深い人はたくさんいるが、 強面の悪役は「一緒に歩いてみたいなあ」とは思わないものね。
バート・ランカスターは、ちょっとコワいけれど、 ”男性のかたまり”みたいな個性に惹かれる一人。 ヨーロッパの名匠たちからもオファーがあった点でも、 他のハリウッド・スターとは異彩を放っている。 ”憧れ”とは異なるが、”口説かれたら落ちそう”という感じ。 強烈な男っぽさだものねえ!役柄も大胆不敵!
ランカスターにオスカー(主演男優賞)をもたらした本作を久々に観かえした。 初めて観たときは、作品としてピンとこなかったのだが、 今回は、役者のための映画だなあとつくづく感じた。
プレイボーイで口八丁手八丁のセールスマン、エルマー・ガントリーが、 美しい伝道師シャロンに惹かれ、信仰宗教団体に入会、彼女の片腕となる。 いつしか団体はエルマーなしでは立ち行かなくなっていく。
シャロンに扮するジーン・シモンズの清楚な美しさ、
オスカー(助演女優賞)を受けた
シャーリー・ジョーンズのしどけない魅力。
そして、身勝手このうえないが、自分に正直に、
その場その場を生き抜くエルマーの生きざま。
決して見習うべきキャラクターではないにしろ、
何があっても挫けない人間像からは、力を貰える気がする。
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