1970年 メキシコ映画 アレハンドロ・ホドロフスキー監督
(El Topo)
これほど、特殊な意味で想い出深い映画も他にない。 1987年日本公開当時、映画ファンの間で醸された物議は、 未だ追従を許していないと確信する。 劇場パンフレットが残っている。大きくてカラー写真満載、 うわあ、¥500だったんだ!
砂漠を旅する、黒ずくめのガンマン、エル・トポと、幼い息子。 息子は全裸で父親と一緒に馬に跨っている。 「おまえは7歳になった、もう亡き母の写真と玩具はいらない」と、 エル・トポが砂に埋めるシーンから、物語は始まる。
まさに奇想天外、 映画ファンがこれまで観たことのなかった世界を見せつけるホドロフスキー。 当時は「グロテスクで見ていられない」 「ナンセンス・ギャグの羅列」と評した評論もあったが、 コスモポリタンである彼の生い立ちを知れば、 怒濤の如き色彩やイメージが幼いころから蓄積されていたわけで、 本作を作った40歳という年齢は遅すぎたとも言える。
御年90歳のホドロフスキー、
近作『サイコ・マジック』はこのブログでも、番組”美加のNice’N’Easyタイム”でも紹介した。
彼の原点と呼べる『エル・トポ』を体験して欲しい。
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