1950年 アメリカ映画 ジョゼフ・L・マンキーウィッツ監督
(All About Eve)
女優たちの個性を愉しむ映画である。 主演は当時すでに大女優であったベティ・デイヴィス。 細面に大きな、おおきな目 (三白眼で、ぱっちりと言うよりギョロリ)が 一度見たら忘れられない。 ハリウッドには無難な美人が圧倒的に多かった時代に、 超個性派と言える。 デイヴィスが扮するのは40歳になったブロードウェイのスター、マーゴ。 これはもう、迫力満点の名演! セカンド・ロールはタイトルとなったイヴに扮するアン・バクスター。 大女優に近づき、地位を乗っ取る若い娘の代名詞となった”EVE”役であるから、 インパクトがあり過ぎないほうが良い。
ブロードウェイの内幕を暴露したストーリーがオスカー6部門を 獲得しながら、女優陣には受賞なしという皮肉、 こちらも裏工作ありかと、邪推したくなる。
無名時代のマリリン・モンローが イヴに負ける女優の卵として登場することは知られているが、 今回、観なおし、名脇役セルマ・リッターが、 うわあ、ここにも居ましたかの存在感発揮! 往年はスターであったが、現在はマーゴの付き人となっているオバサン役で、 虎視眈々とスターの座を狙うイヴの本性を最初から見抜いている! うまいなあ、日本でいえば、山岡久乃さんみたいなタイプといえばいいのかな。
ベティ・デイヴィスは中年以降も名演を遺している。
こわいこわ~い『何がジェーンに起こったか?』(’62)
リリアン・ギッシュ共演『八月の鯨』(’87)などなど、
また観かえしてみよう!
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