1969年 アメリカ映画 デニス・ホッパー監督
(Easy Rider)
バイクはきらい。ロックも好きじゃない。 それなのに、”Born to be Wild”のイントロが響き、 ピーター・フォンダとデニス・ホッパーが チョッパー・バイクで走り出すと・・・ ああ、また踊ってしまった! 映画はこれだからイイ。普段のすききらいがめちゃめちゃになる。
遠い昔、評論家の川本三郎氏よりご推薦をいただき、 ある月刊誌に於ける”アメリカン・ニューシネマ対談”のお相手を 仰せつかったことがある。 説明的な台詞を除外するところが、その大きな魅力。 想像力を研ぎ澄ませて観なければならない。アタマでなく、感性を使う。
端からドラッグ売買シーン、ヒッピーのコミュニティ、 娼館の様子にまで、時代の”ルック”満載。 途上で加わるジャック・ニコルソン扮する弁護士も、 とんだエセ堅気。三人とも”STONE”状態で映画も旅も進む。 娼婦に扮するカレン・ブラックはB級映画のミューズ的な仇っぽい女優。 小柄なホッパーが大柄なカレンを選ぶくだりもイイ。 未来の予見の如く閃く短いショットが印象的。 ”STONE”による未来予知か、観客へのひとしずくの示唆のつもりか。 刹那的な生きざまを見せつけ、釈明のないところが潔い。 やはり、本作はアメリカン・ニューシネマの原点だろうなあ・・・
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