1954年 イタリア・フランス合作映画 ロベルト・ロッセリーニ監督
(Viaggio in Italia)
ロベルト・ロッセリーニは、我が映画人生の原点である フェデリコ・フェリーニの師匠的な映画作家。 ゴシップとしては、イングリッド・バーグマンと不倫関係となり、 バーグマンは約10年間ハリウッドを離れた。 前夫と娘を捨ててイタリアに走ったバーグマンだが、 三人の子をもうけたのち、結局ロッセリーニとも離婚することに。 一組の夫婦が離婚の危機を迎える本作は、 皮肉なことに名匠と大女優のカップルも破局へといざなってしまったことになる。
英国から来た結婚8年目の夫婦の、車中の会話から物語は始まる。 運転する妻に扮するのはイングリッド・バーグマン。 イメージにそぐわない豹柄の服にぎょっとする。 夫に扮するのはジョージ・サンダース、 英国出身の如何にも冷ややかでシニカルな俳優。 「眠くてたまらんから、運転を代わる」とひとこと。 えっ!?眠いなら運転するべきじゃないでしょう? またもやぎょぎょっ! そう、噛み合わないことこのうえない夫婦! 「運転させて悪いが、すこし眠っていいかな?」と 言えばいいじゃない!
演技経験のない人々を起用し、 真に迫る作品群が高い評価を受けてきたロッセリーニによる、 スター俳優二人を逃れようもない夫婦関係に押し込んだ、重みのある一作。 こういう作品こそ、時代を経てリメイクすると面白いのよね! さて、現代なら誰に演じさせれば良いかなあ・・・
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