No.375『太陽がいっぱい』大橋美加4月15日読了時間: 1分1960年 フランス・イタリア合作映画ルネ・クレマン監督『太陽がいっぱい』(Plein Soleil)世紀の美男子の“ミラクル・モーメント“を刻んだ一作。確かに本作以前のアラン・ドロンの魅力は“美しさ“だけであったかも。イタリアの陽光の下、哀しみの色彩を漂わせるドロン扮するトムの瞳は、時として不吉な宝石の如く煌めく。サディスティックな放蕩児フィリップに翻弄されながらも、自らの欲望に支配されてゆくトム。麗しい笑顔より、憂いを孕んだ表情に、心が戦慄く。まさにアラン・ドロンという俳優の“永遠“が刻まれた一作である!冒頭、カメオ出演ふうにロミー・シュナイダーがちらりと顔を見せることは、何回目かに観たとき気づいた。そう、当時のフィアンセである。二人の初々しい共演は、“コ“の項で紹介した『恋ひとすじに』(’58)を参照あれ。昨年ドロン逝去の際に、彼が出演した日本のテレビCMをYOUTUBEで一挙に観ることが叶った。改めて、我が国のアラン・ドロン・ファンの根強さを再認識する出来事であった・・・
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