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No.359『第七の封印』

執筆者の写真: 大橋美加大橋美加
1957年 スウェーデン映画 イングマール・ベルイマン監督
『第七の封印』(The seventh seal)
 
荒れた海辺の岩場で騎士と死神がチェスをする
強烈なイメージが脳裏に焼きついている。
 
ベルイマン作品は20作近くは観ているが、
女性を鋭い観察眼で描いた作品群が印象深く、
本作はきわめて異彩を放っている。
 



死に取り憑かれた騎士が
次々と往き逢う人々のなかで、
旅芸人の年若い妻に扮した
ベルイマン組のビビ・アンデショーンは、
“生“の象徴たる輝きを見せる。
 
不気味に都度つど現れる死神が、
時にユーモラスにも見える演出。
扮したベント・エーケロートの在り様の成せる技か。
 
ラストの、高みに連なるシルエットの“画づくり“に、
やはりベルイマンはオプティミストかと感じてしまう。
 
霊視者であろう旅芸人の夫に
「いつも夢ばかりみて」と愛しげに呟く若妻ミアこそ、
ベルイマンが創造した地上の天使かも知れない。
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