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執筆者の写真大橋美加

No.356『大草原』

1947年  アメリカ映画 エリア・カザン監督
『大草原』(The sea of grass)
 
キャサリン・ヘプバーンの演技は
殊更に好きというわけではないが、
役者を志している人なら、
「あんなふうに演技が出来たらいいだろうなあ…」と
感じ入るに違いない。
 
キャサリンはそんな役者。
オスカー(主演女優賞)を4回受けた唯一の存在である。
 



公私ともに名コンビとして名を馳せた
キャサリンとスペンサー・トレイシー共演作のひとつである本作は、
キャサリン扮するヒロインが、
ウェディング・ドレスを試着するシーンから始まる。
スペンサー扮する家畜王との縁談がまとまったのだ。
 
タイトルにある“大草原“をこよなく愛する男と、
人間同士の情愛を求める女の、すれ違う心。
一家は何処へ向かうのだろうか…
 
ファースト・ロールはスペンサーであるが、
キャサリンに比重ありのストーリー。
悲哀きわまりない宿命さえ、
草原の風に吹き流されてゆくが如し。
 
人間の無力を見せつける、
無常観の漂う人間ドラマである。
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