大橋美加9月16日No.349『戦争と平和』1956年 アメリカ・イタリア合作映画 キング・ヴィダー監督『戦争と平和』(War and Peace)オードリー・ヘプバーンにはモノクロームが似合うと思っていた。本作を観るまでは。彼女にとり初カラー作品となる本作、ボンタルチュク版とはどうしても比較されるであろうが、オードリー演じるナターシャは、永遠の輝きを放っている。数々のカラフルな帽子や衣裳を軽やかに着こなすが、アンドレイと初めてダンスをするときの、手作り感あふれる純白のドレス!カラー作品のなかの白いドレスがこれほどまぶしかったことはない。大スターのヘンリー・フォンダ、そして当時の夫であったメル・ファーラーを凌ぐオードリーの輝き!ヴィダー版は親しみやすさと華やかさを兼ね備え、映画史を飾る。フェリーニ作品『甘い生活』(’60)で堂々たる美神ぶりを披露する以前の、アニタ・エクバーグの艶姿を観られるのも嬉しい。戦争は世界を変え、唯ひとりの人生をも変えてしまう。すべてを背負う"象徴"としてのナターシャを演じきったオードリーを讃えたい。
1956年 アメリカ・イタリア合作映画 キング・ヴィダー監督『戦争と平和』(War and Peace)オードリー・ヘプバーンにはモノクロームが似合うと思っていた。本作を観るまでは。彼女にとり初カラー作品となる本作、ボンタルチュク版とはどうしても比較されるであろうが、オードリー演じるナターシャは、永遠の輝きを放っている。数々のカラフルな帽子や衣裳を軽やかに着こなすが、アンドレイと初めてダンスをするときの、手作り感あふれる純白のドレス!カラー作品のなかの白いドレスがこれほどまぶしかったことはない。大スターのヘンリー・フォンダ、そして当時の夫であったメル・ファーラーを凌ぐオードリーの輝き!ヴィダー版は親しみやすさと華やかさを兼ね備え、映画史を飾る。フェリーニ作品『甘い生活』(’60)で堂々たる美神ぶりを披露する以前の、アニタ・エクバーグの艶姿を観られるのも嬉しい。戦争は世界を変え、唯ひとりの人生をも変えてしまう。すべてを背負う"象徴"としてのナターシャを演じきったオードリーを讃えたい。
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