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執筆者の写真大橋美加

No.341『戦場の小さな天使たち』

1987年 英・米 合作映画
ジョン・ブアマン監督
『戦場の小さな天使たち』 (Hope and Glory)

グレン・ミラー楽団
"In thd Mood"のイントロが高らかに響く。
舞台は1939年イギリス。




第二次世界大戦の始まりに動揺する人々。
主人公である7歳のビリーは、
夫婦仲の良い両親、
ミドル・ティーンの姉ドーン、
幼い妹スージーと幸せに暮らしていたが、
父は志願して出征し、次第に日常が変化してゆく。

戦場に行かずして戦争を実感できないまま、
人生が変わっていった人々は多いはず。

母がピアノで奏でる
コール・ポーターの"Begin the Beguine"に合わせ、
身をくねらせて歌うドーンを眺めて呟く
「戦争は成長も早めてしまうのね」というひとこと。

生き急ぐ娘は母でさえ止められない。
そんな想いがひしひしと伝わってくるシーン。

ドーンと恋に落ちるカナダ兵に、
『グラン・ブルー』でのブレイク前の
ジャン=マルク・バールが扮しているのも見もの。

全ての人間の原型である"子ども"の、
無垢ゆえに残酷な微笑みを、
アイロニーに満ち満ちたラスト・ショットに据えたブアマン監督。

それでも涙してしまうのは何故だろう!
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