大橋美加7月4日No.339『戦争のはらわた』1977年 英・西独合作映画サム・ペキンパー監督『戦争のはらわた』(Cross of Iron )"Bloody Sam"の異名をもつペキンパーだが、彼の作品のヴァイオレンス・シーンには"詩"を感じる。もちろん、あのスロー・モーション効果も多大であるのだが、すべてが理に適うエンタテインメント作品には存在しない詩情がよぎるのだ。彼のつきつけるヴァイオレンス・シーンは脳と心を麻痺させ、怒りや涙を詩に変える。ペキンパー唯一の戦争映画である本作は、アメリカ人監督作品には珍しく、ドイツ軍兵士の目線で描かれる。1943年、東部戦線に於けるドイツ軍の一中隊。叩き上げ伍長にジェームズ・コバーン。プロイセン貴族出身で勲章(鉄十字章)目当てに志願した大尉にマクシミリアン・シェル。重厚な大佐にジェームズ・メイスン。両極のキャラであるコバーンとシェルのやりとりが見もの。戦闘シーンのカオスに、耳慣れた『幼いハンス』(蝶々)のメロディが流れ、コバーンの高笑いが響く!救いのない戦場でさえ私欲に惑わされる人間を吹っ飛ばすかのように・・・こんな戦争映画、唯一無二!ちなみにペキンパー作品で美加のfavoriteである『ガルシアの首』は"カ"の項で紹介してあるので参照あれ。
1977年 英・西独合作映画サム・ペキンパー監督『戦争のはらわた』(Cross of Iron )"Bloody Sam"の異名をもつペキンパーだが、彼の作品のヴァイオレンス・シーンには"詩"を感じる。もちろん、あのスロー・モーション効果も多大であるのだが、すべてが理に適うエンタテインメント作品には存在しない詩情がよぎるのだ。彼のつきつけるヴァイオレンス・シーンは脳と心を麻痺させ、怒りや涙を詩に変える。ペキンパー唯一の戦争映画である本作は、アメリカ人監督作品には珍しく、ドイツ軍兵士の目線で描かれる。1943年、東部戦線に於けるドイツ軍の一中隊。叩き上げ伍長にジェームズ・コバーン。プロイセン貴族出身で勲章(鉄十字章)目当てに志願した大尉にマクシミリアン・シェル。重厚な大佐にジェームズ・メイスン。両極のキャラであるコバーンとシェルのやりとりが見もの。戦闘シーンのカオスに、耳慣れた『幼いハンス』(蝶々)のメロディが流れ、コバーンの高笑いが響く!救いのない戦場でさえ私欲に惑わされる人間を吹っ飛ばすかのように・・・こんな戦争映画、唯一無二!ちなみにペキンパー作品で美加のfavoriteである『ガルシアの首』は"カ"の項で紹介してあるので参照あれ。
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