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執筆者の写真大橋美加

No.329『ストーカー』

2002年 アメリカ映画 マーク・ロマネク監督

『ストーカー』(One hour photo)

マーク・ロマネク監督の名からは、

大昔に一度だけ観た『天国からの中継』(’85)という映画を想い出すが、

また別の機会に書こう。

本作『ストーカー』(One hour photo)は、

ホームセンター内にある簡易フォトショップに務める

孤独な50代の男が主人公であり、

名コメディアンとしてあまりにも有名なロビン・ウィリアムズが演じる。

短く刈り込んだ禿気味の白髪に

眼鏡をかけたロビンは、

見紛うばかりの老けぶり。

フィルムを出しに来るある一家に対して、

顧客以上の感情を抱いていることがわかる。




有名スターを主人公に据えたサスペンス劇としては、


ロビンの印象があまりに異なるため、効果抜群と言える。

「何となくロビンに似て見えるホンモノのストーカー」なら、凄まじく怖い!

壁いっぱいに貼られたカラフルなスナップ写真がこれほど不気味に見えるとは・・・

この男の妄執が崩されたとき、

物語はどのような展開を迎えるのかがキイポイントなのだが、

予想を超える異常さが露呈され、

皮肉きわまりない結末を迎える。


ひとは何故、写真を撮りたがるのか?

写真という形で残さなければ、

実感できないものが多すぎるのだろうか。

写真によってもたらされる幸福感、高揚、そして嫉妬や憎悪。


たった20余年まえの映画だが、暗室やネガを見るにつけ、

"Old fashioned crime story"に感じるのが奇妙である。
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