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執筆者の写真大橋美加

No.303『白い恐怖』

1945年 アメリカ映画 アルフレッド・ヒッチコック監督

(Spellbound)


"ア"の項で紹介した『アラバマ物語』(’62)のアティカス役は

我が理想の父親像であるが、

遡ること17年、まだ20代の水もしたたる ハンサム・ボーイのグレゴリー・ペックを見られるのが本作!

オリジナル・タイトル通り、 2歳年上のイングリッド・バーグマン扮する精神科医が、

ひと目で魅惑されるのだから!


ヒッチは本作でバーグマンに、

男性に縁の薄いインテリ役を与え、

遅咲きの恋の炎に戸惑う女を演じさせる。

天下の美人女優バーグマンが、

謎めいた色男ペックの挙動に右往左往するのである。


ペックの悪夢に出てくるイメージ・ショットを

サルヴァドール・ダリが手掛けたことも有名で、

精神分析のカギとなる。


ヒッチの巧さは、観客に犯人を示唆するタイミングにもある。

あの、ぞぞ~っとする瞬間がたまらないよねえ!

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