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執筆者の写真大橋美加

No.297『勝利の朝』

1933年 アメリカ映画 ローウェル・シャーマン監督

(Morning Glory)


アカデミー主演女優賞を4つ持つ

唯一の女優であるキャサリン・ヘプバーンが

20代で初のオスカーを得た一作。


切れ長の目元に痩せた頬、

長身に長い手足をもつ女優の卵が、

成功への階を昇り始めるまでが描かれる。

舞台出身であるキャサリンは誰はばかることなく、

怒濤の如き抑揚で台詞をこなし、

映画人たちを煙に巻いたに違いない。

まさしくうってつけの役である!


原題"Morning Glory”は「朝顔」のこと。

曉とともに開き、短くも萎んでしまうこの花を、

浮き沈みの激しいエンタテイメント業界に

咲いては消える女優に例えている。


刹那的な陶酔の只中にいるヒロインの力強い台詞まわしと、

儚い朝顔の花とは相反するイメージだがらこそ、

こみ上げるものを感じる観客も多いはず。


日本の映画ファンに最も知られるキャサリンの作品は、

テーマソング”Summertime in Venice"もヒットした

『旅情』(’55)かと思うが、

イタリア人とは丁々発止よりラヴ・シーンが効果的、

台詞に頼らない演技を観ることが出来る。


96歳の人生を全うしたキャサリン・ヘプバーンの作品群、

”キ”の項で『去年の夏突然に』(’59)を紹介したが、

追ってほかも観かえしていきたい。

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