1965年 フランス映画 アニエス・ヴァルダ監督
(Le Bonheur)
向日葵の顔、顔、顔・・・まるで人間の顔のようにこちらを見ている。
向日葵畑の向うから、四人家族がやってくる・・・
仲睦まじい夫婦と可愛い女児と男児。
絵に描いたような一家が、草原で午睡をする。
これこそ『幸福』!まてよ、これでは、始まりで終わってしまう!?
印象派の画家たちも賛辞を送ったであろう、何度観ても惹き込まれる色彩。
ミニマルに描かれる『幸福』のすがた。
あくまでアート的なアプローチで生々しい肌のざわめきを包み込む。
百年前から変わらない男と女のありようを、
ドールハウスのたわごとのように魅せるアニエスに、
この一作で参ってしまった。
本作を初めて観たときに詠んだ一句を想い出す。
向日葵の群れ倖せの数を問う 魅歌
今、観なおして何と詠もうか。
向日葵咲く倖せと云う名の地獄 魅歌
댓글