1985年 イタリア映画 フェデリコ・フェリーニ監督
(Ginger e Fred)
愛しく酷い再会。
嘗てフレッド・アステア&ジンジャー・ロジャースの物真似で
人気を博した男と女が30年ぶりで顔を合わせる物語。
男に扮するのはフェリーニの分身を演じてきた名優
マルチェッロ・マストロヤンニ。
女はフェリーニの妻にしてミューズであった
ジュリエッタ・マシーナ。
何とこの御両人、本作が初共演!
公開当時は、
「フェリーニのテレビに対する風刺劇」という触れ込みであったが、
40年近く経って観かえすと、
アンチ・テレビは飾り付けであると気づく。
永遠の銘作『道』(’54)以来、
フェリーニが本気で向き合わなかった男と女のドラマであり、
『道』へのアンサー・シネマなのではないかとさえ思えてくる。
女は男の人生の拠り所、
"HOME”を失った男の哀れを
ザンパノとは違う姿で
描きたかったのではないかしら…
ともあれ、フェリーニの頭の中には
往年のジャズソングが鳴り響いているのだと
来日記者会見で宣ったものだ。
本作でも十分に聴けますよ!
Comments