1959年 アメリカ映画 デルマー・デイヴィス監督
(The Hanging Tree)
マリア・シェルの瞳!
ルキーノ・ヴィスコンティ作品『白夜』('57)で初めて彼女を知り、
強い意志と儚さを併せもつ大きな瞳に魅せられた。
その後、ヨーロッパ映画で何作か観たが、
ハリウッドでゲイリー・クーパーの相手役を演じたのが本作。
身の毛がよだつタイトルだが、 西部劇の銃撃戦も現実としてとらえれば十分に恐ろしい。
舞台となるのは金鉱を目当てによそ者が続々とやってくるモンタナの町。
掟破りは銃殺の代わりに吊るし首というルールらしい。 そんな町にやってくるのがゲイリー・クーパー。
亡くなる2年前であり、少し草臥れて見えるヒーローだが、
過去をもつ医師という役どころに合っているかも。
駅馬車襲撃事件によりクーパーに一命を救われる スイス人女性役がマリア・シェル!
大きな瞳が特徴の俳優は盲目の役を演じたりするものだが、
本作でも観客はなかなか、マリアの瞳を見ることが出来ない。
彼女がトルマリンのような瞳を開いた瞬間を 観るためだけにでも、本作をご覧あれ!
幸福を掴む力は運の強さなのか、運を投げ打つ強さなのか、
考えさせられるラストである。
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