1956年 アメリカ映画 アルフレッド・ヒッチコック監督
(The Man Who Knew Too Much)
オーケストラに於けるシンバルの出番がフィーチュアされる
ファースト・ショットから胸騒ぎ…
ジェイムズ・スチュワート扮する医師ベンと、
ドリス・デイ扮する妻で歌手のジョー夫妻が、
幼い一人息子ハンクを連れて、モロッコ旅行に来ている。
エキゾティックな雰囲気たっぷりの見せ場が続くなか、
一家はヒッチお得意の"巻き込まれ型ファミリー”と相成る!
謎の男に扮するのは、フランス映画界のスター、ダニエル・ジェラン。
夫妻がキイワードを手繰り辿り着いた剥製製造所、
怪しげな教会などなど、ヒッチの腕が冴え渡る。
終盤近く、歌手であり母であるジョーが、
オスカーを受けた歌曲”ケ・セラ・セラ"を歌うシーンは、何度観ても涙がこみ上げる。
「人生は成るように成る」なんて思ったことは、一度もないのに!
ニヒリストのヒッチによる親子の人情劇は珍しく、おまけにキメどころが粋。
オリジナルも観たはずだが、やはりセルフ・リメイクの本作が強い。
"Mother's Voice”により、強化されているのである!
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