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執筆者の写真大橋美加

No.282『紳士協定』

1947年 アメリカ映画 エリア・カザン監督

(Gentleman’s Agreement)


人種差別とはいったい何だろう。

対象となる人々を責め立てることか。

それとも自分の優越感を満足させることなのか。

何の権利があって、人は人を差別できるのだろうか。

殊に宗教絡みの差別となると、我々日本人には理解しにくいテーマ。

グレゴリー・ペックが扮するジャーナリストが

8週間ユダヤ人になりすますことにより、

人種差別の実態を探ろうとする本作は、

アカデミー賞に於ける作品賞・監督賞・助演女優賞をもたらした。


イングリッド・バーグマンやオードリー・ヘプバーンを 向こうに回すスターである

グレゴリー・ペックのカッコ良さは別として、

エリア・カザン作品の中では派手さのない一作。


飛び交う台詞を反芻し、意味を咀嚼することに追われながら、

登場人物たちの自己欺瞞に気づかされ、ハッとする!


本作に於けるゴージャスな存在であったセレステ・ホルムが

演者で唯一オスカー(助演女優賞)を得た。

ヒロインのドロシー・マグワイアが地味ゆえ、

女王様的で自立もしているホルム扮するアンという女性は

ひときわ妖しい輝きを放っていた。


ペックの幼い一人息子を演じたのは

当時の名子役として売れっ子であったディーン・ストックウェル。


沈黙は助長であると突きつけられる主人公たち。

本作から76年の時が過ぎた今、果たして差別や偏見は?

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