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執筆者の写真大橋美加

No.281『シェーン』

1953年 アメリカ映画 ジョージ・スティーブンス監督 (Shane) 長い間、過大評価されている映画なのかと思っていた。 ひとは子どもが重要な位置を占める物語にヨワいから。


小柄で品の良い面差しのアラン・ラッド扮するシェーンが、 デカい荒くれ男たちと渡り合うのも不自然に感じられ、 ジーン・アーサーが演じる一家の妻マリアンの 微妙な恋心は取り沙汰されやすいが、 やはり幼い一人息子ジョーイの、シェーンに対する反応に尽きる。 ジョーイにとってシェーンは、 存在しなかった年若い父であり、”Big Brother“であり、 いつか成り得る大人の男の姿。 もしかしたら、シェーンはジョーイの妄想のなかの存在なのかも知れない。 ロボットのような動きのシェーンのアクション・シーンを観ながら、妄想が湧き起こる。

ジャック・パランス扮する悪役の、 猛獣が取り憑いたような顔面もこの世の者とは思えず、 “ファンタジー”のキャラクターのよう。 それでも、ラストのジョーイの叫び声を聞くと感傷的な涙になる、 とてもとても、ズルい映画なのである。
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