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執筆者の写真大橋美加

No.278『三人の狙撃者』

1954年 アメリカ映画 ルイス・アレン監督

(Suddenly)


フランク・シナトラのディスクは何十枚も所有しているが、

本作のような地味ながら完成度の高い映画を観なおすと、

改めて彼のキャリアに感心する。


街道にオープンカーがやって来る。

運転者する男は居合わせた警官に町の名前を訊く。

「突然」(Suddenly)と警官。

「突然なんだ?」(Suddenly what?)と男。

原題である“Suddenly”という小さな町の名前が

象徴的に繰り返されるオープニング。


長身でがっしりとした体躯のスターリング・ヘイドンが保安官姿で登場。

幼い男児とのやりとりで、未亡人である母親に思慕の情があるとわかってくる。

母子と舅が暮らす家は、駅を見下ろす高台にある。


現われるシナトラと二人の男たち。

タイトルが予告しているわりには唐突ではない(笑)

シナトラは顔つきですぐに役柄が推察できる。

レコード・ジャケットとは違いすぎる表情だものねえ!

極めて分かり易い運びでありながら、 脚本や小道具が上手く働きテンションが持続する。

善人も悪人も戦争の傷を引きずりながら、

暴力に対して非暴力では抗えないという酷い現実。


凝縮の76分間、ラスト10分は手に汗握る!声が出る!

我らが”Frankie“憎まれ役、ご苦労さま!

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