1954年 アメリカ映画 ルイス・アレン監督
(Suddenly)
フランク・シナトラのディスクは何十枚も所有しているが、
本作のような地味ながら完成度の高い映画を観なおすと、
改めて彼のキャリアに感心する。
街道にオープンカーがやって来る。
運転者する男は居合わせた警官に町の名前を訊く。
「突然」(Suddenly)と警官。
「突然なんだ?」(Suddenly what?)と男。
原題である“Suddenly”という小さな町の名前が
象徴的に繰り返されるオープニング。
長身でがっしりとした体躯のスターリング・ヘイドンが保安官姿で登場。
幼い男児とのやりとりで、未亡人である母親に思慕の情があるとわかってくる。
母子と舅が暮らす家は、駅を見下ろす高台にある。
現われるシナトラと二人の男たち。
タイトルが予告しているわりには唐突ではない(笑)
シナトラは顔つきですぐに役柄が推察できる。
レコード・ジャケットとは違いすぎる表情だものねえ!
極めて分かり易い運びでありながら、 脚本や小道具が上手く働きテンションが持続する。
善人も悪人も戦争の傷を引きずりながら、
暴力に対して非暴力では抗えないという酷い現実。
凝縮の76分間、ラスト10分は手に汗握る!声が出る!
我らが”Frankie“憎まれ役、ご苦労さま!
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