1991年 イギリス・アイルランド・アメリカ合作映画
アラン・パーカー監督 (The Commitments)
ダブリン・ソウル!「俺たちには黒人のソウルがわかる!」と
バンドを組んだ定職のない若者たちの物語。
「有名になったバンドには皆、”THE”がついている」らしい。
発起人でマネジャーとなるジミー宅は大家族。
エルヴィスの下に法皇様の写真を掲げる父と生活に追われる母、
同時に口をきく双子の妹、弟たちもいる様子。
次々にオーディションを受けに来る連中も、また可笑し。
いきいきとした市井の人々の描写に心が浮き立ってくる。
洗濯物がたなびくなかで練習するコーラス・ガール3人、 それぞれになまなましくてイイ。
好き勝手に遊ぶ子ら、市場、屠殺場などなど、
誰でも”ソウル”を持てるぞ!という気分になってくるが・・・
ハリウッド往年のバック・ステージものは好きだが、
ステージに辿りつくまでのストーリーには、遣る瀬なく苦笑い。
辿りついた者、放り出した者、どちらが幸せなのかはわからない。
アラン・パーカーは我々の世代に多様な映画を提供してくれた。
本作と響き合う音楽もの『フェーム』(’80)と観くらべるのも一興、
”エ”の項ではオカルト・スリラー『エンゼル・ハート』(87’)を紹介しているので参照を。
本作は”音楽”という言葉の字づらを見つめては想い出す、
愛すべき一作品である。
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