1993年 アメリカ映画 ハロルド・レイミス監督
(The Groundhog Day)
ラヴ・コメディ、ヒューマン・ストーリー、ひいてはホラーやSF的要素も加味された映画に、
ぴったりくる主人公なんているの!?
才人ハロルド・レイミスが選んだのは、
にこりともしない芸風のシニカルなコメディアン、
ビル・マーレイ!
レイミスとマーレイは大ヒット・シリーズ『ゴースト・バスターズ』の仲間でもある。
ペンシルヴェニア州パンクスタウニーの町で毎年2月2日に開催されている ”The Groundhog Day”のフェスティヴァルが舞台。 田舎町のお祭りを取材することに辟易している気象予報士にマーレイ。 美人で誠実なプロデューサーに扮するアンディ・マクダウェルは、 当時”旬”であったチャーミングな笑顔をもつ女優。
本作をタイム・トラヴェルの”ループもの”と解釈するか、 ニーチェの思想と解釈するかは自由だが、 ポイントが、”ループ”を脱出する方法ではなく、 とりあえず”ループ”に逃げ込むことであるのが、レイミスらしさかも。 本作、コメディ要素がなかったら、ホラー映画だよねえ!
思えば、1990年代は恋愛映画危機時代であり、 語りつくされたラヴ・ストーリーをどうやって新生させるかに、 脚本家たちはやっきになっていたはずなのだ。 本作を書き、大ヒット作 『アナライズ・ミー』『アナライズ・ユー』シリーズに 繋げていったハロルド・レイミスが 亡くなってしまったことは惜しまれる。
雪のあずまやでのダンス・シーンに流れる
レイ・チャールズの”You don’t know me”
ラストで響くナット’キング’コールの
”Almost Like Being In Love”も忘れ難い。
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