1946年 アメリカ映画 ジョン・フォード監督
(My Darling Clementine )
西部劇は男の世界ゆえ、恋愛は添え花のはず。 本作は、その意味合いに於いて、ジョン・フォードの西部劇のうち異色の一作かも。 ワイアット・アープとドク・ホリデイを題材にした 映画のなかでも雰囲気が異なる。
ワイアット・アープにヘンリー・フォンダ、 ドク・ホリデイにヴィクター・マチュアは文句ないが、 ヒーローを演じてきたスターのフォンダより、 最も映画ファンに馴染む役が本作というマチュアのほうが目立つのも面白い。 保安官アープが地味に見える。なに、この純情ぶり?
女性陣も然り。 原題に祀られている”クレメンタイン”に扮する キャシー・ダウンズは清楚だが色香皆無。 酒場の歌手に扮したリンダ・ダーネルのほうが数段、味がある。 身を持ち崩した者は、真っ当に生きてきた者に対して、 犠牲的存在として描かれる。 それが、観客に支持されていた時代なんだろうなあ・・・
されど、撮影はすごい。やはり、フォード作品はこうでなくっちゃ! 馬上のアクション、OK牧場の決闘シーンの潔さには只々、無言になる。 悪党一家の親爺に扮するのは、達者なウォルター・ブレナン。 ムード・メイカー的な役どころに定評があった人だが、 こういう懲りない役も巧いなあ!
そうそう、ヴィクター・マチュアに似ている医師を知っている。
今度お会いしたら、”ドク・ホリデイ!”と呼んじゃおうかな・・・
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