1978年アメリカ映画 ポール・マザースキー監督 (An Unmarried Woman)
男は妻に浮気を告白するとき、泣く。 男は若い女と浮気しながら、妻と一日に二回セックス可能。 女は愛していない男に愛撫されると吹き出す。 女は離婚すると、初潮が来た日を想い出す。 すべて、18歳の私が本作で知ったこと。
忘れられない一作品である。 タイトルは当時の流行語にもなったが、 今、観かえしても充分納得できる秀作。 ポール・マザースキー監督のきめ細かな演出と、 ヒロインに扮したジル・クレイバーグの演技力によるものだろう。
ニューヨークの風景が満載。 ハドソン川を臨むジョギング。 摩天楼の夜景を観ながらディナーの高級アパートメント。 自立しているようでしていない女性像。 まさに時代を切り取った映画なのである。
ビリー・ホリデイの歌う”I’m Yours”を聴きながら、
二度と男の”所有物”にはなりたくないと思う女心が皮肉。
ヒロインが大きな絵を抱えて、
よろけながら進んでいくラスト・シーンに喝采!
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