1969年 フランス映画 フランソワ・トリュフォー監督
(La Sirene du Mississipi)
カトリーヌ・ドヌーヴとジャン・ポール・ベルモンドが 倒錯の”腐れ縁”を演じる。 画面を埋め尽くす新聞の交際欄。 飛び交う売り込み文句の数々。 原点をポップに示す滑り出しである。
そして現われる、舞台となるレユニオン島の風景。 ベルモンド扮するタバコ工場経営者は、港で或る女性を待ち受ける。 最後の船客が降り立ち、落胆して車に戻る彼の目線の先に居たのは、 輝くブロンドを夏帽子で隠し、 印象派の絵のようなワンピースを纏った美女! さて、二人の関係は如何に・・・?
「他人の恋愛を見ても面白くも何ともない」と決めている美加が、 唯一許容する”愛のシネアスト”フランソワ・トリュフォー。 公開当時の日本でも人気であったスター、 ドヌーヴとベルモンドに、 どんな恋愛を演じさせるのか、 ちょっとやそっとのストーリーでは満ち足りないが、 ドヌーヴは病的な役、 ベルモンドは自虐的な役が良く似合う。
ドヌーヴはトリュフォーの晩年の作品 『終電車』でも妖艶なヒロインを演じたが、 ベルモンドのトリュフォー作品は本作のみ。 さあ、倒錯の愛へ雪崩れ込もう!
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