1965年 日本映画 内田吐夢監督
小柄な娼婦が大男を部屋に引き込む。 膝枕で爪を切ってやる。 二人の共通点は”貧しさ”だけ。 娼婦は男の爪を、肌身はなさず持ち続ける・・・
物語の始まりは昭和22年、 青函連絡船の事故と、強盗事件、放火事件が絡まってゆく。 映し出されるのは、暗い海に、うねる波。 大男に扮する三國連太郎、小柄な娼婦に左幸子。 まさに丁々発止の大熱演と思いきや・・・
これでもかと”動”の演技を見せつける左幸子に対し、 見た目の押し出しとは裏腹に、案外演技を押し付けない三國。 久々に観なおしたが、いやあ、三國の勝ちかな。
キイとなる”読経”が得意な刑事に扮した伴淳三郎、 水もしたたる美男ぶりの若き高倉健など、脇も固められている。
古い日本映画に強い我がパートナーいわく、 「藤田進さんが渋いよね」とのこと。 そうか、確かに・・・黒澤組でもある名脇役。 休肝日にまんじりともせず、二人そろって観なおした183分。 思えば、”シネマニア”同士でなかったら、 パートナーシップ33年目に突入していなかったか? 鑑賞後にああでもない、こうでもないと、 映画について話せることは、ありがたきこと!
今回で”キ”から始まる手持ちのDVD紹介は終わりとし、 次回からは”ク”から始まる作品を観なおしていきたい。 予想外に62作あり、選ぶのが楽しみ!乞うご期待!
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