1959年 アメリカ映画 ジョゼフ・L・マンキウィッツ監督
(Suddenly,Last Summer)
エリザベス・テイラー、モンゴメリー・クリフト、 そしてオスカーを4つ持つキャサリン・ヘプバーン、 3大スターが名を連ねる本作、初めて観たときは、 言い知れぬ恐怖に苛まれた記憶がある。そう、”トラウマ”という言葉を まだ知らなかったにも拘わらず、トラウマを抱えそうになってしまったのだ。 見せかた、語りかたの勝利に尽きない。
デコラティヴな家庭内エレヴェーターで君臨するキャサリン・ヘプバーン! このエレヴェーター、カルチュア・ショックだったっけ。 こういう映像体験こそ重要なのよね。キャサリン扮する富豪の初老婦人に呼ばれた 脳外科医にモンティ、ロボトミー手術の対象は艶やかなリズ・テイラー。
テネシー・ウィリアムズの映画化作品は数あれど、 同性愛が封じ込められていた時代に、映像表現は至難の業。 リズの豊満な肢体が黒白映像で映し出されるが、 当て馬となれば、ますますエロティック。
台詞で責めて、映像のイメージでケリをつける
乱暴さは否めないが、何度観ても心をざわつかせる効力は絶大。
何度でもリメイクされ、語られて欲しい、
異色のストーリーではないだろうか。
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