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執筆者の写真大橋美加

No.141『カッコーの巣の上で』

更新日:2023年4月25日

1975年 アメリカ映画 ミロス・フォアマン監督 (One Flew over the Cuckoo’s Nest)

ジャック・ニコルソンが金網を越えようとしている表紙の 劇場パンフレットを持っている。 まさに、本作のイメージそのもの。 10代で観た衝撃的な映画を観なおすことは テンション張る作業であり、 楽しくも、恐ろしくもある。 自分がどのように成長したのか、していないのか、 自認することになるから。

精神病でない人間が、精神病棟に入るということ。 刑務所での労働を免れたいという、短絡的な思いつきで、 ニコルソン扮する主人公マクマーフィは、 及びもつかない状況に、自分を置くこととなる。

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今回観なおし、院内のセラピーのシーンに於ける、 患者たちを演じる脇役たちに改めて感動する。 当時は冷徹な看護婦長役でオスカー(主演女優賞)を受けた ルイーズ・フレッチャーばかりが注目されたが、 ダニー・デヴィート、クリストファー・ロイド、シドニー・ラシック、 若手のブラッド・ドゥーリフ他、 患者に扮する役者陣が素晴らしく、あたかもドキュメンタリーを観るような 緊張感を醸し出し、効果絶大。

ラクして刑期を終えられると、タカをくくっていたマクマーフィの運命は?

自堕落に生きてきた男が意志を持ったことで、生まれたものは?失われたものは?

10代のころ、ラストのチーフ(ウィル・サンプソン)の行ないに涙した少女は、 今回泣けず。

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