1958年 アメリカ・イギリス合作映画 オットー・プレミンジャー監督 (Bonjour Tristesse)
青い花びらが涙になりこぼれ落ちる、 ソール・バスのタイトルが忘れられない。 セシール・カットのジーン・セバーグの悲痛な泣き顔とともに・・・
フランソワーズ・サガンの原作は高校生のときに読んだっけ。 親の世代である彼女が、とても身近に感じられた。 サガンの友人であったというジュリエット・グレコが テーマソングを歌い、 空虚な顔のセシールの現在が映し出される。 モノクロームの世界、そう、パートカラーというべきか、 その逆というべきか。
スノッブな暮らしを送る、父と娘。 デイヴィッド・ニーヴン扮するやもめの父はプレイボーイ。 父親の若い愛人とも仲良く共存するセシール、屈折していないはずがない。
今回、観なおし、ファースト・ロールはデボラ・カーだったんだなあと再認識。 当時、大スターであるし、堂々たる美貌。 でもでもやはり、本作の主人公はセシールに扮した18歳のジーン・セバーグだろう。
若さの酷さを一身に引きうけ、紺碧の海を背に、今でも輝き続けている!
ジーンはこの後、ゴダールの『勝手にしやがれ』(’59)に於いて、 映画ファンにとって永遠の存在になり、40歳での死に向かっていった。 サガンのセシールを具現化した本作、決してけっして、忘れるものか。
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