1968年 アメリカ映画 ノーマン・ジュイソン監督
(The Thomas Crown Affair )
チェス盤を挟んで向き合う男と女。 ヌード・ベージュの光沢たっぷりの唇をセクシーに触るフェイ・ダナウェイ。 うろたえて勝負に負けたスティーヴ・マックイーンが囁く。 ”Play something else.”熱烈にキスしつづける二人。 ぐるぐるまわる、かのキス・シーン!
先述のキス・シーンがあまりに取り沙汰されたため、 娯楽作品以外の何物でもないようなイメージが焼きついた本作。 今回、久々に観なおし、確かに”アメリカン・ニューシネマ”の色もあるよなあと再認識。 ノーマン・ジュイソンは職人的な映画作家であり、 ジャンルを超えて映画ファンを楽しませてくれた。 マックイーンの『シンシナティ・キッド』(’65)、 ポワチエの『夜の大捜査線』(’67)何度観たことか! そう、”ア”の項で紹介した『アグネス』(’85)みたいな映画も撮っちゃう。
本作のテーマソングはミシェル・ルグランの手になる 『風のささやき』 ラビリンスに迷い込んだようなメロディと象徴的な歌詞の一曲。 マックイーンの繰るレモン色の自家用機が空を舞うシーンにピッタリの一曲。
バービー人形の如きフェイ・ダナウェイが風に塗れるラスト、
さあ、どう見る?
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