1957年 アメリカ・イギリス合作映画 ローレンス・オリヴィエ監督 (The Prince and the Showgirl)
マリリン・モンローはマシュマロ。ベイビー・ピンクの、 やわらかくて、指で触れるとはずむマシュマロ。
彼女の悲劇的な部分を知ってもなお、 あらゆる人の心を癒す、かの笑顔は永遠!
我が恩人の一人である評論家・川本三郎氏の著作 『ハリウッドの黄金時代』によれば、 1930年代に映画界でも活躍した”セックス・コメディの女王”であり、 小説や脚本も手がけた女優メイ・ウエストは、当時の女優たちを 悉くこきおろすなか、マリリンのことだけは「ユーモアがある」と 褒めたそう。わかる気がする。
『王子と踊子』でのマリリンは、”ア”の項で紹介した『荒馬と女』(’61)”オ”の項の 『お熱いのがお好き』(’59)ほどではないがかなり肉付きが増し、ハガビリティ絶大。 架空の国の大公であるオリヴィエに見初められ、うろたえながらも魅力全開!
オリジナルはオリヴィエと当時の妻ヴィヴィアン・リーが共演した舞台劇であるから、
当然のことながら台詞が多い。無邪気なお色気をふりまきながら、
オリヴィエを相手に丁々発止のマリリンは,コメディエンヌとしても一流と証明している。
映画作品としては、言いたいことは多々あるが、
マリリンを観ているとやさしく穏やかな気持ちになれるから、
いいじゃないか!
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