top of page
執筆者の写真大橋美加

『波紋』

荻上変化?こちらが本質?

これまでの作品で内包されていたものが奔出?

とにかく、荻上作品中、最も見ごたえある力作と言いたい!


ファースト・ショットから疑問の嵐!

夫と同じベッドに逆向き(頭と足の位置)に寝る妻がいるか?

鼾がひどいのか?顔と顔を近づけたくないのか?

それでも同じベッドに寝なければならない理由があるのか?


平凡な主婦の心が壊れていくさまを信憑性たっぷりに演じる筒井真理子。

『こわれゆく女』(’74)でジーナ・ローランズが演じた メイベルがアメリカの病める主婦なら、

筒井演じる依子は日本の病める主婦代表と呼びたくなる熱演!


身勝手きわまりない夫役の光石研、新興宗教代表のキムラ緑子ら達者が揃い、

出色の清掃員役・木野花に至るまで、ヴェテラン陣の素晴らしさで一気に見せる。

心は何処まで持ちこたえられるのか?

箍(タガ)を外された心に鳴り響く拍手の意味が明かされるラストまで、

快感を孕んだおぞましさで心があふれ返る。


荻上監督、若者にウケる映画はもうたくさん。

本作路線で、大人の映画ファンに大人のストーリーを突きつけ続けて欲しい! 2023年5月26日(金)

TOHOシネマズ日比谷ほか全国ロードショー

閲覧数:33回0件のコメント

最新記事

すべて表示

Comments


bottom of page