1985年 アメリカ映画 ノーマン・ジュイソン監督
(Agnes of God)
樹々も眠る夜の静寂のなか、 モントリオールの男子禁制修道院に悲鳴が響く!
駆けつける院長や修道女たちが目にしたのは、 床に倒れた血まみれの若い修道女、傍らの屑入れのなかには・・・
二大女優アン・バンクロフト(修道院長)と ジェーン・フォンダ(法廷精神科医)、 若手メグ・ティリーの三女優が演技を競う、戯曲の映画化である。 アン・バンクロフトの存在感が圧倒的!
修道女の性の無知を助長させたかと詰問されると 「とんでもない!私は処女じゃない、23年間結婚し、娘も孫もいる。 最低の妻で母だったけれど!」と豪語する修道院長が サマになってしまうのだから。
本作は公開時に観たから、うわあ、35年ぶりか。 今回は当時のアンの年齢に近い美加、 当時同年齢であったメグは我が娘の年代となり、
どうしたって観点が変わってしまう。 メグ・ティリーは東西の血筋を受けた不思議な美しさを持ち、
この一作がその後のキャリアを決定づけた。 撮影当時24~25歳、まさに”神がかった”大熱演。
加えて本作は、母国スウェーデンで 巨匠イングマール・ベルイマン作品群を手がけ、 ひいては世界の名匠たちに愛された名カメラマン、 スヴェン・ニクヴィストの創り出す画面の美しさを語らずにはいられない。 ”神”の存在が感じられそうな深遠な映像美に魅せられる。
俳優としてスタートしたジュイソン監督は 人気キャラクターを生み出す達人でもある。
『夜の大捜査線』のシドニー・ポワチエ扮する”Mr.Tibbs”
『華麗なる賭け』でスティーヴ・マックィーン扮した トーマス・クラウンなどなど、 大ヒット作も観かえしてみては?
Comentarios